京都大学大学院教育支援機構

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BLOG 2025.09.29

【KU-STAR Program for India 2025】富士通株式会社 企業説明会を実施しました

KU-STAR インド 京都大学 大学院教育支援機構

京都大学大学院教育支援機構では、昨年度から短期研究室インターンシッププログラムKU-STAR(Kyoto University Short-Term Academic Research)Programを実施しています。インドからの学生受け入れは今回で2度目となり、計31名の学生が約2か月間、それぞれの研究室で研究に取り組んでいます。プログラムの折り返し地点にあたる2025年6月19日、KU-STARプログラムの一環として、富士通株式会社による企業説明会を開催しました。富士通のウェブサイトによると、富士通グループは日本を含む世界の各地域で事業を展開し、グローバルにデジタルサービスを提供。ITサービスにおいて日本でシェアNo. 1、グローバルでも上位のシェアを占めています。多岐にわたる事業を展開する富士通の取り組みに、学生たちは熱心に耳を傾けました。

今回の説明会では、最初に、R&D人事部シニアマネージャーの輿 秀和氏と、産学連携推進室マネージャーの大平 弘太郎氏より、富士通の最先端技術、研究開発、そして企業理念について詳しい説明がありました。 とりわけ、富士通研究所 人工知能研究所 リサーチディレクターの丸橋 弘治氏による、富士通のAI分野の研究や機械学習の社会実装に関する話は、情報分野の学生たちの大きな関心を集めたようです。

また、インド・バンガロールにある富士通の研究開発拠点であるFujitsu Research of India Private Limited(FRIPL)からシニア人事マネージャーのShahla Sultana氏が、オンラインで参加し、FRIPLの概要に加え、就職やインターンシップの機会について説明し、学生たちは富士通のインドをはじめとするグローバルな研究体制についても理解を深めることができました。

説明会終了後には、実際に登壇者と対面やオンラインで、研究やインターンシップ・就職の機会等について積極的に個別質問していました。

参加した学生からは、以下のような声が寄せられました。

  • 「富士通がこれほど多様な研究を行っていることに驚きました。特に、分子生物学における喫緊の課題の一つである、タンパク質の折りたたみ経路を予測する機械学習モデルの医療分野への応用には非常に興味を持ちました。」(Aryanさん、インド工科大学ハイデラバード校)
  • 「私にとっての主な学びは、常にLLMをあらゆる場所で使用することが賢明とは限らないということ、多くの場合、必要なドメインにファインチューニングされたSLMを使用する方がはるかに効率的で、計算コストも少なく、より良い結果をもたらすことができるということです。」(Varunさん、インド工科大学ボンベイ校)
  • 「説明会終了後、FRIPLの代表者と直接オンラインで話すことができました。生物学専攻の学生向けのインターンシップの機会があるかどうか尋ねたところ、現在、学際的な取り組みを開始しており、今後、生物学を含む異なる分野の学生も受け入れる予定だと案内いただきました。 」(Ankitaさん、デリー大学)
  • 富士通による情報セッションは、情報理論、通信システム、スケーラブルな機械学習、人工知能といった分野に関心を持つ私のような学生にとって、KU-STARプログラムの中でも特に洞察に富み、記憶に残るセッションの一つでした。セッションでは、インドのベンガルールにある富士通リサーチ・オブ・インディア(FRIPL)を含む、富士通の様々な部門が追求する研究とイノベーションの方向性について概観が示されました。私は、AI、ネットワーク、量子コンピューティング、エンタープライズハードウェアなど、富士通が専門とする産業の多様性に驚きました。セッションでは、これらの分野で同社が追求しているプロジェクトや目標についても説明がありました。また、「イノベーションを通じて社会に信頼を築き、より持続可能な世界を創造する」という会社の全体的なモットーは、私だけでなく、プログラムに参加した他の多くの学生の心にも深く響きました。京都大学に来て私たちと交流してくださった企業の担当者の方々から、企業の文化や取り組みについて多くのことを学ぶことができました。さらに、インドのベンガルールにあるFRIPLのメンバーがバーチャルでセッションに参加してくださったのも感動的でした。企業の担当者の方々は、参加者の質問に時間をかけて丁寧に答えてくださり、KU-STAR学生が将来的に富士通での機会に応募することを奨励してくださいました。(Vignesh, インド工科大学マドラス校)

今回の企業説明会は、学生たちが自身の研究分野と社会とのつながりを意識し、将来のキャリアについて考える貴重な機会となりました。

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