京都大学大学院教育支援機構

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BLOG 2025.06.6

【KU-STAR Program for India 2025】現場で学ぶイノベーション:KU-STARプログラムの学生がサムコ株式会社を訪問

KU-STAR インド 京都大学 大学院教育支援機構 短期研究インターンシップ

Kyoto University Short-Term Academic Research (KU-STAR) Programでは、京都大学の研究室で最先端の研究に没頭するだけでなく、日本の産業界の核心に触れる機会も提供しています。2025年6月2日、KU-STARプログラムに参加している優秀なインドからの学生たちが、京都に本社を置く世界的な半導体製造装置メーカーであるサムコ株式会社を訪問しました。

学生たちは、日本の最先端技術と製造の現場を直接目にすることで、研究がどのようにして具体的な製品や技術へと結びつくのかを深く理解することができました。

温かい歓迎とイノベーションの胎動

訪問したサムコ株式会社では、インドの国旗が掲げられており、KU-STARの学生たちを温かく迎え入れてくれました。今回の訪問は、KU-STARプログラムのSTEM分野の学部生・院生7名(インド理科大学院(IISc)、IITデリー校、IITガンディナガル校、IITカラグプール校、IITハイデラバード校、IITマドラス校)が参加しました。

まず、サムコ株式会社インド・ベンガルール事務所長でインド出身のへマンズ ラクシュミプラ ラマチャンドラアイア さんから会社概要の説明がありました。同社の誇る薄膜技術とその応用について、半導体の製造装置分野だけではなく、量子やバイオ関連事業への展開についても紹介があり、学生たちは熱心に耳を傾けていました。

インドの国旗で温かく迎えられる
薄膜技術とその応用についてへマンズさんから説明をうけるKU-STAR生

その後、サムコ株式会社の創業者であり、インドへも何度も渡航している辻 理 会長とのディスカッションが行われました。学生たちは、それぞれの関心分野について会長に説明する貴重な機会を得ました。辻会長からは、サムコ株式会社は、グローバルカンパニーとして文化も大切にしていると説明があり、「日本の文化の注目スポットでもあるここ京都で、是非文化を学んでほしい」と温かいエールが送られました。

また、へマンズさんからは、自身の日本の大学院で博士課程修了の経験から、日本の大学院への留学は「Good Platform(良い基盤)があり、Good Exposure(良い経験)ができる点」が魅力的だと説明があり、学生たちは終始真剣に聞き入っていました。

最先端技術と創業の精神に触れる

続いて、学生たちは製造フロアとクリーンルームを見学しました。ここでは、ドライエッチング装置やプラズマCVD装置を拝見しました。

さらに、印象的だったのは、辻会長が米国NASAでの技術者としての研究の後、帰国して1979年の創業した当時のガレージが再現された展示もある、「サムコミュージアム」を見学したことです。これは、いかにして世界的な企業が小さな一歩から始まったのかを示すものであり、学生たちにとって大いなるインスピレーションとなりました。学生たちは、同社の担当者からその革新的な技術がどのようにして現代社会の様々な技術を支えているのかを学び、最先端の技術が生まれる背景にある情熱と努力を感じ取ることができました。

将来への展望

このサムコ株式会社への訪問は、KU-STARプログラムの学生たちにとって、自身の視野を広げ、将来のキャリア選択や研究の方向性にも大きな影響を与えることでしょう。このような実践的な経験が、彼らの学術的な成長と将来の活躍につながることを期待しています。

研究やキャリア形成、インターンシップについて激励の言葉が贈られました
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